2013/05/07(火)日経Web刊の見出しを目にしたとき凍りつきました。
アメリカで商品先物など幅広い資産を対象にしたOTCのデリバティブ売買を行う際には清算機関(クリアリングハウス)の利用が義務化されると、清算機関が、「日本から将来なくなるかもしれない」というのです。
どういうことかというと、
米国の話
OTCのデリバティブ取引で利用が義務化される清算機関とは、米CFTC(商品先物取引委員会)に認められた清算機関に限定されるからだ。これ以外のものを使うと、業者は適格な清算機関を使わなかったという意味で、法律違反になる。
日本の話
清算機関とは主に日本証券クリアリング機構(JSCC)と、商品先物の決済を手掛ける日本商品清算機構(JCCH)の2つだ。
このうち証券クリアリング機構は米政府から一時的に米国の規制適用免除を認められているが、認可は下りていない。商品清算機構に至っては、まだ認可申請の準備中の段階だ。日本の清算機関は米政府から依然として、清算機関として認定されていないのである。
からです。
根本的なことを解決しないままにしてきた商品先物業界の清算機関(クリアリングハウス)。
商品清算機構は証券クリアリングと異なり、証拠金の計算方法で、いまだに独自方式を採用しており、要件を満たしていないのである。国際標準方式を採用すると、証拠金の引き上げにつながるだけに、簡単にはいかない。
見直した結果、証拠金を引き上げになると、業者にとっては営業上、逆風になるかもしれない。だが、商品清算機構にとっては、海外からの圧力で引くに引けない事態が刻一刻と迫っているのである。
「CFTC(商品先物取引委員会)に認められる」=「アメリカのルールがすべて」ではないのですが、避けて通れない悩ましい問題ですね。